韓国と日本のユーザーの違い

自分の今作っているゲームは、韓国によくあるアイテム課金型・横スクロールのアレンジされたアクションMOだ。よくあるゲームとして埋没してしまわないように、いろいろと努力はしているけれど、はたしてサービスインまで持ち込めるのか、なんとも心配。
ところで、この手のゲームでは敵を倒すとお金やアイテムが出て、これを手に入れてキャラクタを強化するのが普通の流れで、ご他聞にもれず、僕の企画でもそうなっている。ただ、戦利品やお金はグループの共用戦利品ボックスに入って、最後に全員に分配される構造なのが少し変わっている。
これを昨日の会議でスタッフに「どうして共用ボックスなんですか?」と質問された。
これに僕は

  1. グループ全員が同じマップにいるとは限らない → つまり不公平の危険がある
  2. インベントリが埋まっているプレイヤーも平気 → プレイ負荷が軽くなる
  3. いじわるがやりにくい

と説明したら「いじわるがやりにくい?」と不思議そうに聞かれた。
僕は「例えば君が嫌いなプレイヤーがたまたまグループにいるとするだろ? そしたら前にいってさ、そいつの欲しいアイテムとか全部取るなんてマネが出来ちゃうだろ?」と説明した。
スタッフ、全員ポカーン。
「韓国じゃ、そんなことしないの?」
しませんよ」と呆れたように。
「日本人はするんですか?」
「僕はやらないけど、やるプレイヤーはいる。それもかなりいるよ」と、僕は今までの経験を考えて。
「日本人って、足ひっぱるの好きなんですか?」
僕はちょっと考えて答えた。
「日本人は、足ひっぱるの大好きだよ。間違いなく。足を引っ張るのは本当に世界一好きだと思うね」

ベヨネッタ

何かと話題のベヨネッタをやっている。
体験版を両方プレイした結果、フレームレートを重視して自分はX360版を購入。
言われているほど差はなくて、PS3の方がビビッドな絵が出る(X360は出力回路のチューニングが悪い)ので、人によってはPS3のがきれいでいいと言うと思う。
PS3しか持ってなくても、別になにも問題ないソフトだ。

技術的にはかなり?な出来。
リアルタイムムービーシーンでは盛大にティアリングが発生するし、レンダリングクオリティも、レベル的にはPS2と3の間だよな〜って感じ。マルチタイトルにありがちな中途半端ではなくて、実際に技術不足だと思う。
だってセガはSonic Adventureでもっとマシなレンダリングをマルチでやっている。最近発売されたアンチャーテッド2と比較するのは酷なのは百も承知だけど、マルチタイトルだのフレームレート重視だのでごまかせるレベルではない、はっきりとした実力差を感じてしまった。

レンダリングはもちろん大事だし、正直少々がっかり気味だけど、アクションでなにより大事なのは当たり前ながら動き。
そして神谷さんのアクションは大好きなので、ワクワクしながらプレイ。
システムはデビルメイクライビューティフルジョーを足したアクションで、キビキビ動き、とても気持ちいい。
神谷さんがビューティフルジョーで作り出した避けるアクションデビルメイクライ1の撃つ+切る殴るコンボを組み合わせたところまでは、今までの延長だけど、そこにSっ気の強い女主人公(魔法付き)ってスパイスを入れて、インパクトのある動きになっている。女主人公がお仕置きだの、拷問器具アクションだの、ストリップダンサーみたいな動きをするんだから、キャッチーというか、引っかかるように作ってあるよなと感心。

神谷さんのゲームはデビルメイクライもそうだったし、ビューティフルジョー(GC版)もそうだったけど、難易度調整に違和感がある。
少なくとも自分はイージーでは少し簡単すぎて、ノーマルだとちょっと難しすぎるだろうと感じてしまい、その間が欲しくなる。表現するなら、神谷さんのイージーは「ベリーイージー風味」になっちゃってると思うし、ノーマルは「ハード目」になっちゃってると思う。
ただ、今までの神谷さんのゲームは全部そう感じるし、それでもクリアは出来ているから、神谷さんのバランスは(何度も)死んで覚えるのがノーマルなのだろう。僕の考え方はノーマルは知らなくてもぎりぎり避けられるを目指すので、バランスのさじ加減の感覚の違いを感じてしまう。

そんなわけで、ゲームバランスに微妙な疑問を感じながらも、アクションはとても楽しいからいいゲーム! といいたいのだけれども、ゲーム全般としてはムービー(リアルタイムだけど)の出来の悪さが、全てをぶちこわしにしてる。ともかくムービーの演出がへたくそでカッコつけてるだけで、セリフ回しは冗長だし、おまけに最近のゲームとは思えないぐらいムービーとゲームが分離しちゃってるしで、さらにムービー長すぎだし。特にオープニングのバトルシーンの後のムービーなんて半分以下に縮められると思ってしまった。
これのせいでゲームの印象がすっごく悪くなってる。
これでオール10点って、ファミ通おかしいよ。
おかしいのは昔からだけどさ。

ルーク式次世代テストはひどいよ

http://www.kotaku.jp/2009/10/next_gen_game.htmlこれでルーク式次世代テストという話が載っていた。
これはひどい
端的に書くならPS2で実現可能っぽければ次世代じゃないという論理であるが、内容はメチャクチャ。
リトルビッグプラネットは雰囲気を損なわずに移植可能だから、次世代ソフトではない」という。あの物理演算を雰囲気損なわずにPS2に移植可能とかありえない。プログラマ死ぬし、完全は無理。ごまかすのが精一杯。
逆にデッドライジング。埋めるだけなら角度を調整すれば無双ですでにやっている。次世代じゃないじゃん。
オブリビオンとFallout3で感動しているシームレスはすでにPS2GTAによってストリーミングで実現されていたから旧世代だろ?

とかね。
誰でも納得のいきそうなところならHDかSDかで分ける方法がある。HDとSDははっきりと見て違いがわかるし、わかりやすい定義だが、それは無視。たぶん自分の好きなWiiが次世代じゃなくなるからだろう。
モーションコントローラが次世代?
何をおっしゃる。ならEyeToyは次世代だったことになるし、DDRコントローラも次世代なら、指揮棒コントローラも次世代だ。振る機能? サンバdeアミーゴを知りませんか? 音が出る? ドリームキャストのコントローラは音を出すどころか、振動に加え液晶までついてますよ?
結局、この貴社は単に自分の気に入るゲームでなおかつWii/PS3/X360で動くものを次世代といっているだけで、何も知らないただの印象記事に過ぎない。
それで偉そうに書くなと思ってしまった。

ラブプラスとドリームクラブ

「ドリームクラブ」と「ラブプラス」のTrendをGoogleに聞いてみた - spring efemeralに載っていたトレンドを見て本当かな? と少し疑問を持ったので、トレンドをCSVとしてダウンロードして、補正したグラフを作ってみた。
補正方法は以下のとおり。

  1. Googleは最大数を100としたCSVを返してくる。
  2. ドリームクラブの方が最大値が小さいので、ドリームクラブのトレンド最大値が100になるように数値を計算。
  3. 上記の数値をドリームクラブの補正値として、全部に適用
  4. ドリームクラブのグラフで100になるところをラブプラスの100とあわせる。

結果が以下のグラフ

これは補正した結果が正しいとしての話なので、もちろん議論そのものが間違っている可能性があるが、補正が正しいとするなら、以下が実際だと思った。

ラブプラスの方が長く話題になっており、かつ最後のほうで再び増える傾向も見せている。つまり客つきがラブプラスのほうがいいことが容易に想像できる結果ではなかろうか?

まあ、ラブプラスは中古対策のやりこみ要素をメインディッシュに据えた、かなりとんでもないゲームなのでこの結果も当たり前だけど…

韓国人模様

韓国と日本と中国は複雑なお互いの歴史があり、さらに領土問題などもあって政治的にはいつでも微妙な領域がある。そして韓国の人たちは性格的に熱く、議論が大好きで、そのうえ良くも悪くも自分の国が大好きなので僕に議論をふっかけてくることがある。
なんとも困った話だが、まあ説明すると相手は理解することが多い。

例えば竹島(独島)。
韓国の主張の方が無理があると思う。領土問題だから押したいのは分かるけど、国連持ち込んで処理しようよっていう話を蹴ってゴリ押ししてるのは韓国なんだよねと教えると「あー」と。もちろん韓国の言っていることにも理がゼロではないけれど白黒つけるなら、白は日本だと思うよ、竹島を仮に「理」で割ったら70−80%ぐらいが日本になっちゃうと思う、それを知ってるからゴリ押しするんだろうし、それも外交だよ。
みたいなことを言うと、だいたい納得してくれる。

と、これはいい話だが、マズいのは理解していただけない話…というか、僕自身が納得出来ないパーツの話をされるとめちゃくちゃ困る。例えば最近された話で「日本は原爆落とされたのは忘れてはならない、戦争体験を風化させてはいけないというけれど、そのわりに韓国や中国に対しては、いい加減なこと言うよね」と質問されて、これに関しては僕は非常に困った挙句にストレートに説明した。

日本人の一部には近親憎悪にしか見えない、韓国や中国の人を嫌う人たちがいること、そういう人たちは「右翼」といわれる部類に多いこと、そしてそういう人たちは第二次世界大戦では日本は正義だったと主張していることなどを解説した。
そしたらさらに突っ込まれたのが「その人たちはアメリカ好きなの?」
「ああ、まあ日本人はやたらアメリカ人好きだねえ」
と答えると、不思議そうに言われたのが「でもさ、戦争で日本を負かしたのはアメリカだし、原爆を落としたのもアメリカ。どうしてそれのにそういう人たちはアメリカ好きなの?」

まあ僕は苦笑いして「日本人はね、アメリカ…というか白人コンプレックスがあるんだよ。下らないと思うけどね」と答えるしかなかった。

韓国ゲームデザイナーの弱点

韓国で仕事をしていると、韓国のゲームデザイナーは不幸だと思う。
歴史的な都合上、仕方ないのだが、韓国のゲームデザイナーには明快な弱点がいくつかある。

 まず知識の幅が恐ろしく狭い。
 韓国はオンラインゲームの国であり、デザイナーも基本的にはオンラインゲームからやってくる。
 オンラインゲームは極めて時間を使うゲームであり、たくさんのゲームをプレイできるわけではない。
 結果、ゲームデザイナーと称する人間が下手をすると、リネージュとWoWとダンジョンファイター(アラド戦記)しかプレイしていない、なんて日本人からすると信じがたい事が起こったりする(現実にあったことがある)。
 韓国のゲームの幅が異常に狭い理由の大きなポイントはここにある。

 次にデザインとレベルデザインを平気で勘違いする。
 当たり前だがオンラインゲームにはPvPという切り札があり、PvPは「お互いに対してのバランスがそれなりに取れた戦闘」と対称性のあるマップが存在すれば、なんとかゲームが成り立ってしまうのだ。
 そのため、ゲームデザインと称して、システムはリネージュかWoWの出来損ない、マップと敵だけ違います…と、こういうゲームを連作してしまう。
 これまた似たようなFPSとクリックゲームの嵐になる大きな理由になっている。

乱暴にまとめてしまうなら、韓国にオフラインゲームの歴史がなく、ゲームデザイナーの大半がオンラインゲームの経験しかないからこうなってしまう。
もちろん、これはゲームデザイナーの責任の要素は小さいが、やはり韓国ゲームデザイナーは不幸だと思うのだ。